2022年度 関西経営品質賞 シルバー
栗本商事 株式会社
設立 |
1952年 |
代表者 |
代表取締役社長 葛岡 貴則(くずおか たかのり) |
本社所在地 |
大阪府大阪市西区新町2-4-2 なにわ筋SIAビル9階 |
売上高 |
17,300百万円(2022年3月) |
従業員 |
105名(非正規社員含む)(2022年3月) |
事業内容 |
建材(水道機器、各種合成樹脂製品、軽量鋼管等)の販売 |
ホームページ |
https://www.kurimototrading.jp/ |
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- ・ビジョン経営の実現に向け、組織特性に合わせた創意工夫で推進するリーダーシップ
- ・社会貢献意識とチャレンジ精神を後押しする風通しの良い職場風土
- ・独自の強みを軸に、クリモトグループを背景とした顧客の多様な要望に応える営業力
栗本商事株式会社は、株式会社栗本鐵工所(親会社)の製品を取り扱う販売子会社として1952年に創業し、人の快適な暮らし、企業の快適空間の創造を追求し、
主に社会のインフラ整備に貢献してきた。大阪に本社があり、東京、福岡、愛知、宮城、広島、沖縄に営業拠点を設け、ライフラインの一翼を担う水道設備機器や
農下水道用管、空調関連資材などの商品の提供を行っている。事業領域としては、水道、化成品、特品、建材、橋梁の主に5つのセグメントで構成されている。
対象市場は、建設資材卸売市場となり、建設後50年を経過する社会資本の割合は、今後加速的に高くなる見込みとなっており、当社がターゲットとしているインフラの
維持管理・更新需要は増加傾向である。住宅着工件数は、人口減少に伴い減少傾向であるが、リフォーム市場の増加などもあり、更新需要増が見込まれている。
業界において、発注側の技術者の減少やノウハウの喪失により、専門的な対応や発注業務の煩雑さに課題がある。また、「安全・安心」を基本としており、技術提案力や
安定供給、防災・減災という観点で耐震性能のニーズが高くなっている。
当社の沿革としては、創業期~発展期(1952年~1990年)は、設立後、戦後の復興需要・高度成長期の社会インフラ需要拡大の波にのって、親会社の業績拡大に歩調を合わせて
順調に業績を拡大(化成品、建材、特品)した。
停滞期(1991年~2015年)は、バブル崩壊に伴う民間の市場環境の悪化、クリモトグループ内でのリストラクチュアリング、などで売上が減少し、その後に一時回復傾向があったものの、
競争激化による自社製品の利益率低下により、利益が大きく落ち込むことになる。
転換期~現在(2016年~2022年)までは、現経営陣がビジョン・ミッション・バリュー等の策定や組織・社員育成制度の充実への取り組みを開始し、2018年度から経営品質向上活動を開始した。
事業面でも既存事業の領域を拡大して捉えなおすことによる事業の領域の拡大、同じ事業領域内で社内各部署がベクトルを合わせることによる取り扱い商材の増加の取り組みを開始し、
2019年度以降は業績面で改善の兆候が見え始め、営業利益も確保できつつある。
- ●ビジョン経営の実現に向け、組織特性に合わせた創意工夫で推進するリーダーシップ
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当社の経営において、「幹」が必要であるという信念のもと、2018年からビジョンとして「私たちは、お客様にワンストップ・サービスを提供する、
活気あふれる商店街を目指します。」を掲げ、ビジョンを軸とした経営に取り組み、経営トップ自ら発信機会を積極的に設定し、その発信内容も業績を中心
とした定量主体からビジョン主体へと変化させながら、社員への語り掛けを継続するなど、本気のリーダーシップが展開されている。あわせて、ビジョン達成
に向けた具体策も、これまでの前例にとらわれず、縦割り組織を見直したり、横断型のさまざまな取り組みを推進したり、グループ内やセグメントをまたぐ
人事ローテーションも計画的に実施し、オーソドックスな企業活動の基盤ができているうえに、ビジョン実現に向けた改善・革新の視点が確実に加わりつつある。
また、経営トップ、経営幹部からの一方通行の発信によるビジョン浸透だけではなく、現場社員の情報を重視したボトムアップ型の戦略策定やさまざまな
プロジェクトの提案を取り上げ、実現させることで社員のチャレンジ意欲を引き出すなど、双方向のコミュニケーションでビジョンの浸透につなげており、
社員はビジョンに共感し、自らの言葉でビジョンを語れており、職場や自らの業務における改善・変革を実感している。
- ●社会貢献意識とチャレンジ精神を後押しする風通しの良い職場風土
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当社は、もともと風通しのよい組織であったとの認識が社員に広く共有されており、社員間のコミュニケーションもよく、雰囲気のいい職場であったが、
さらに、ビジョン経営が導入されたことで、仕事に関連する具体的なコミュニケーションが多方面で生まれ、風通しの良い職場形成につながっている。
また、ビジョンに基づいたメンバーの発案や行動を、上司が吸い上げたり横につなげたりすることで、社員が安心して活動できる支援を行っている。
また、部下もそれを理解し、上司を信頼していることが伺える。この職場風土がベースとなって、営業スタッフの自由度(裁量)が大きく、社員が
チャレンジできる環境が構築されている。また、勤務年数の長い社員が多く、離職率も低いことからも、社員が働きやすい職場環境が提供されている。
これらの源泉として、「事業内容自体が社会インフラを支えている」という社員の社会貢献意識があり、社員が誇りをもって仕事に取り組むモチベーション
を維持できていることがあげられる。こうした職場風土からビジョンに掲げる「活気溢れる商店街(各社員が強い独自能力を持つとともに、顧客の要望に
応えている状態)」が形成されつつある。
- ●独自の強みを軸に、クリモトグループを背景とした顧客の多様な要望に応える営業力
-
当社は、営業現場において、クリモトグループの一員として、栗本鐵工所のブランドに加え、情報収集機能や商品調達機能、顧客フォロー機能があり、
オールラウンドの営業力が展開されている。専門商社としてのメーカー並みの知識を保有し三現主義(現場・現物・現実)に基づく現場に近い情報を
収集できることや、グループと自社生産部門、仕入れ先の多様な確保により、小ロット対応・ハンドリングの良さ・短期間対応など多様な顧客の
きめ細かいニーズに対応できている。加えて、長年築き上げてきた取引先の多さや営業ノウハウの蓄積をしていること、複数セグメントの商品取り扱いを
行っていることから、顧客に対して多面的な提案を提供している。これら当社の特性を生かし、親会社との連携・役割分担ができており、競合に対して、
「栗本鐵工所のブランド」、「メーカー並みの商品知識と三現主義」、「顧客要望に寄り添うきめ細かい対応」、「メーカーと一体となった商品開発力」、
「長年築き上げてきた取引先の多さや営業ノウハウの蓄積」などの強みがあるうえに、幅広いセグメントを有した「ワンストップ・サービス」を
積極的に展開する意識が営業現場に定着し、セグメントをまたいだ商品提案についての社内コミュニケーションもスムーズに行われ、ビジョンに掲げる
「ワンストップ・サービス」と「活気ある商店街」が好循環しており、競合他社が一朝一夕ではまねのできない強みを形成している。
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