G-PDCAサイクル 関西経営品質賞 受賞組織 | 関西経営品質協議会
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関西経営品質賞について

2022年度 関西経営品質賞 ゴールド

株式会社 ケーイーシー

設立 1977年
代表者 代表取締役 小椋 義則(おぐら よしのり)
本社所在地 奈良県生駒市山崎新町2-37 エミネンス生駒1階
売上高 2,500百万円(2022年4月)
従業員 868名((非正規社員含む))(2022年4月)
事業内容 学習塾
ホームページ https://www.kec.gr.jp
  • ・「G-PDCAサイクル」※1 を軸においた独自のマネジメント体制と教育指導の実践
  • ・重厚な採用プロセスから始まる心理的安全の確保の取り組みによる組織力の強化と一体感の醸成
  • ・計画的な次世代リーダーの育成


  • ※1 PDCAサイクルにG(GOAL)を加えた自社の独自の学習スタイル

株式会社ケーイーシー(KEC)は、奈良県生駒市に1977年創業。1982年に現社名への変更と法人化を行い、2007年には現社長が入社。現在は一部に大阪府と京都府を含む、 奈良県の小学生から高校生までを対象として、学習塾、英語教室、プログラミング教室を展開する。基盤である奈良県内の学習塾・教育サービスは競争が激化する中、 同社は34教室を展開しており、県内トップクラスの規模を誇る。

創業以来、一貫して「人間大事の教育」という企業理念に基づき、社会で求められる力を育む教育指導を実践し続けてきた。学力を引き上げて志望校合格に導くことは 当然のこととして、それだけではなく、人として大切な他人を思いやる優しさや道徳心を持ち、自主・自立した人材の育成に寄与していくことを最優先の使命として 事業運営がなされてきた。また、同社が大切にしている理念「人間大事の教育」を通して、人と人とのコミュニケーションのあり方を示し、元気で前向きな社会づくりに 貢献することを自社のミッションとしており、それを実現させるための以下のような独自性の高い取り組みが見られる。

① 生徒仲間同士の高めあい・励まし合い、学びの楽しさを生み出す「エドテックテインメント」

② 主体性を身に付ける「G-PDCAサイクル」

特にこの2つは、KECが目指している理想の姿である「10年・20年先にも続く自信を育てる」ためにも不可欠な要素であると認識できる。その中でも「G-PDCAサイクル」の 習慣化は、従来の日本の学校教育で培われていた「フォアキャスティング思考」から、VUCAの時代を生き抜くために必要な「バックキャスティング思考」に対して、少年期から 馴染ませることで大人になっても社会人としての自覚と自信を育むための強い味方になれるものであると考えられる。

現社長の入社後には様々な問題等も発生するが、リーダーシップを発揮し次々と経営革新を実践。今や奈良県でもトップクラスの学習塾に成長する。一方で過労により自身の体調を 崩したことを起点としてチームによる経営の重要さを痛感。それまでのワンマンシップから部門長への権限移譲を徐々に進めつつある。さらに社員からの提案による制度改革や 新規プロジェクトや事業を創出するような組織風土を醸成しつつあり、全員で組織を動かす会社の実現に向けてさらなる変革を図る。

経営品質向上活動の取り組みは、2012年頃からスタートし、2015年には「関西経営品質賞 ブロンズ」、2018年には「関西経営品質賞 シルバー」を受賞。 継続して経営品質向上活動にも取り組む。

●「人間大事の教育」を実現させるためG-PDCAを核とした取り組み
昨今競争力が低下している日本が苦手分野の一つと言われている、「ゴールメイキング」を「PDCAサイクル」の起点としているKECの考え方に大きな特徴があるといえる。この考え方を 基盤として、KECの教育コンセプトである「10年・20年先にも続く自信を育てる」の達成に向けて、エドテックテインメント(エデュケーション×エンターテイメントの略語)を通じて 世界で一番通いたい教育機関を目指すという姿を描いている。それを実現させるために、単に内申書のアップや志望校への入学のみを目的とはせずに、勉強のやり方(学び方)を教えるだけではなく、 学習に向き合う「あり方」を大切な指導方針としている。

そのために、他塾には見られないユニークな自己管理手帳である「ロードマップ」を考案し活用しているが、この教材の中核的な概念は、先ずは社員・スタッフがしっかりと考え方を理解し、 従業員全員がしっかりと使いこなすことにより実証的に成果が確認できた「考え方」「進め方」であり、その先進性・効果性を熟知している講師・スタッフであるからこそ、その本質を熱量高く子供たちに 伝えることが可能となる。また、それを受けた日本の将来を担う子供たちが「道なき未知へ挑める人」に育ってもらうことが出来るよう継続して取り組んでいるところに大きな価値があり、 また独自性のある取り組みとして評価ができる。

●重厚な採用プロセスから始まる心理的安全の確保の取り組みによる組織力の強化
業界全般として慢性的な人手不足のなか、「オファーボックス」を活用したスカウト型の独自の新卒採用プロセスを構築している。約2年に跨るこの採用プロセスによって、 業務への適性だけでなく組織への親和性を見極めることで、一体感が育まれた組織づくりの素地が培われている。

さらに社員間では組織の一体感を醸成する取り組みとして、組織が目指す理想の姿を示すとともに、「ベクトル共有勉強会」を開催して、社員への経営理念の浸透を定期的に 図ると共に、社員の行動指針となる「KECマインド」を設定し、その行動を引き出す様々な取り組み(社員合宿、成功事例共有会等々)を行う。このような取り組みのもと、 組織が持つトランザクティブメモリーの極大化を目指している。

また、上記の取組みの他にも経営者と従業員の双方向性コミュニケーションを図る「オグッター」、主体性や積極性を引き出す「言いだーシップ制度」など、これらの取組みは 単なる形式的な仕組みではなく、社員全員が積極的に参加出来ているのは、社長以下一人ひとりが他者に対してしっかりと敬意を払っており、心理的な安全がしっかりと 確保できているところにあるといえる。この様に心理的安全性がしっかり確保されているところがKECの強みであり、これらの活動・仕組みによって、理念の浸透と行動指針の 徹底が図られ、組織としての一体感が醸成できていると考えられる。

それらの結果として、外部比較可能な従業員モチベーション調査を活用し、満足度(要因)を明確化のもと、直近の評価では最上位に当るAAAを獲得するに至っている。

●計画的に進められている次世代リーダーの育成
トップの強力なリーダーシップの下、様々な独自性のある取り組み・仕組みが考案され推進されている。それらの取り組みは社内の各機能(人事・総務・システム ・経営戦略等)が、役割分担を明確に認識することで、それぞれが目的の実現に向けて関係部署と適切に連携を取りつつ、すべき事を着実に実行しつつ、トップの リーダーシップを補完する体制を構築している。また社内のインターネット掲示板内には、様々な経営情報が蓄積され、これらの大な情報を有効に活用できるように するために、「定置管理」「鮮度管理」「リアルタイム管理」が徹底されている。

さらに、中長期的なビジョンに基づき、少子化が進む中、学習塾事業の次の柱を生み出すべく新規事業を次々立ち上げ、その経営・運営を若手の人材に任せることで、 次世代のリーダー育成にも充分に力を注いでいることが理解できる。その上で、会社の次の後継者を育成するべく、グループ企業を作り社内で社長が生まれる環境を 整備するなど、仕組みとプロセスでコントロールできる経営へと変革させることを着実に進めつつある。

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