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関西経営品質賞について

2021年度 関西経営品質賞 ブロンズ

有限会社バイオベット(加古川動物病院)

設立 1995年
代表者 代表取締役 長谷川 哲也(はせがわ てつや)
本社所在地 兵庫県加古川市東神吉町西井ノ口373-1
売上高 非公開
従業員 35名((非正規社員含む))(2021年3月)
事業内容 獣医療(小動物診療)
ホームページ http://www.avcg.co.jp/
  • ・トップの理想とする動物病院の具現化と次世代経営幹部から社員までの理念のひろがり
  • ・地域完結型動物病院としての抜きんでたハイブリッド動物診療の提供
  • ・負傷動物保護・譲渡活動による社員のロイヤリティと社会貢献意識の向上

有限会社バイオベット(加古川動物病院)は、1995年、動物医療における生命倫理学の4原則「自律尊重、無危害、善行、正義」をもとにしたプラン提案型動物医療の実践をもとに、 動物医療に関わるすべての意志ある人の社会的地位が向上することを目指して、創業(開業)された動物病院である。

市場は、家庭伴侶動物を対象とする小動物臨床施設(動物病院)であり、市場規模は2018年で、3600億円とされている。市場は堅調に推移しており、今後の人口減、 世帯域と関連して飼育総頭数が減少するものの、犬猫1頭あたりの動物医療費の割合が増加しており、顧客がより高いサービスを求めて動物病院を選択する傾向が一層強まるものと思われる。 当院の市場対象エリアは、兵庫県東播磨エリアおよび兵庫県下の個人動物病院からの紹介の個人顧客であり、動物を家族の一員として生涯大切に飼育する依頼者を主要顧客としている。 競合先は「個人動物病院」、「大規模動物病院」、「専門診療科紹介型動物病院」に大別される。兵庫県下の動物病院は約400施設あり、獣医師2名以下の個人動物病院が90%で、 獣医師10名以上の大型動物病院は約1%程度であり、当院は、兵庫県下では、売上規模で3位以内というポジションであり、東播磨エリアでは唯一、同一施設内で一般診療科から 高度動物医療まで幅広い医療を受けることができる「ハイブリッド動物診療」を提供しており、それが競争力となっている。

創業期(1995年~2000年)は、空前のペットブームと検査機器類の積極的な設備投資により顧客のより高度な治療のニーズに対応することによって、業績が急成長した。

成長期(2000年~2008年)は、労働環境の改善(週休2日制)による社員の定着と獣医師の増員により、さらに業績が向上する。

転換期(2009年~2016年)は、社員への理念と価値観の浸透を図り、研修への参加や資格の取得奨励によって、職員の技術レベルの向上を図った。また、2015年から身元不明動物の保護・ 譲渡活動を始める。これが社内の一体感を生む契機となる。

第二創業期(2017年以降)は、地域連携室活動(当院の独自システム)は神経外科から始まって、整形外科、循環器科、腫瘍科等の診療領域に拡大し、2018年から動物の集中治療管理を開始した。 このころから、経営品質活動への取組みを開始した。

当院では、ビジョン共感型の経営の推進とリーダー職のリーダーシップの育成を兼ねて経営品質向上活動を開始し、活動を推進していく中で、ビジョンの実現に向け次世代経営幹部を中心とした 社員参加型の改善・革新に取り組んでいる。

●トップの理想とする動物病院の具現化と次世代経営幹部から社員までの理念のひろがり
創業以来、トップ(院長)は自ら理想とする動物病院による獣医療のあり方や技術向上を志向し、早くから高度医療のための設備投資を進めるとともに、 社員の働きやすさにも着目し、業界では先駆けて、採用、教育、職種横断型のステージ(等級)制、チーム活動、個人面談、福利厚生、社会貢献など、 さまざまな働きやすい制度を導入してきた。なかでも、一般的な動物病院に見られる獣医師を頂点としたヒエラルキーを廃した獣医師と動物看護師と 受付がフラットにチームを編成するチーム獣医療体制の実現など、風通しの良い職場風土が形成されており、理想とする動物病院の実現に前向きに取り組んでいる。

さらに、今後の組織の拡大に伴う変革の必要性を認識し、トップ(院長)がこれまで実施してきた考え方や取組みを経営品質向上プログラムのフレームワークで整理し、 見える化することで、その正当性や一貫性が社員の間で認識され、次世代経営幹部および一般社員を中心とした経営革新へと広がりつつある。

●地域完結型動物病院としての抜きんでたハイブリッド動物診療の提供
当院が重要顧客と認識する「動物を家族の一員と考える飼い主」の動物のために最善の治療を受けさせたいというニーズに応えるために、 高度医療の設備投資、獣医師や獣看護師の教育、院内情報共有システム構築、夜間受け入れ体制の整備などを行い、利便性を高めるとともに同一施設内で 一般診療から高度動物医療、他院からの紹介症例の診察まで幅広い分野の動物医療を提供できる地域完結型動物病院として、ハイブリッド動物診療の充実を図ってきている。 特に、長年かけて構築してきたフラットな風土形成により、獣医療現場が安心できる職場環境となっており、職種をまたいだ信頼関係の下、ペットオーナーまでも 巻き込む当院ならではのチーム医療体制が構築され、近年のA-ICU(動物用集中管理)における退院率の向上など顕著な実績を上げている。これらは、東播磨エリアの他院が、 一朝一夕には追い付けない独自性のある価値を提供している。

●負傷動物保護・譲渡活動による社員のロイヤリティと社会貢献意識の向上
身元不明動物や負傷した動物の収容・保護について、依頼された全例を無償で引き受け、譲渡先を探して譲渡する活動を行っている。 この活動は、社員の発想によってはじめられた取り組みであるが、この取り組みを、社会貢献チームの設置などによって、全社の取り組みとして行っている。 この活動が、飼主の有無で対応を変えないという社員への教育につながり、当院が掲げる動物愛護精神の一貫性を社員が実感し、社員のロイヤリティを 高める結果につながっている。

また、負傷動物救急指定病院としての活動や譲渡先の確保、譲渡後の情報収集のための仕組みの必要性を認識することを通じて、社員の社会貢献意識を高めている。

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