2019年度 関西経営品質賞 ゴールド
浜理薬品工業 株式会社
設立 |
1948年 |
代表取締役社長 |
髙美 時郎(たかみ ときろう) |
本社所在地 |
大阪市東淀川区柴島1-4-29 |
売上高 |
9,341百万円(2018年9月) |
従業員 |
129名(非正規社員含む)(2019年9月) |
事業内容 |
医薬原薬・中間体、食品添加物、化粧品原料、健康食品素材などの製造販売 |
ホームページ |
https://www.hamarichemicals.com/ |
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- ・弛まぬ変革の推進による企業成長の実現
- ・自律型社員の育成と全員参加経営の会社づくり
- ・創薬から商業生産までワンストップでの課題解決サービスの提供
- ・組織のレベルアップを後押しするグループ各社の振り返り活動の展開
浜理薬品工業株式会社は、1948年に大阪市で人口甘味料の製造・販売を行う、株式会社浜理化学研究所として創業。1952年に現社名に変更し、現在は
主に製薬会社に医薬品の有効成分である原薬・中間体を提供する国内上位の原薬・中間体のメーカー。山形県米沢市(米沢浜理薬品工業株式会社)
・北海道千歳市(チトセ浜理薬品株式会社)に生産拠点を置く。2003年に現社長(髙美時郎氏)が就任。「企業の寿命は人間の寿命と異なり、
限りがない。永続的に発展する企業を目指す」という思いのもと、CI(Corporate Identity)活動(理念をベースとした経営)を導入。独自性に加え、
自社が果たす役割を明確にしていくことや、仕事をしていく上での「明確な道しるべ」を示すために理念体系を策定した。
2005年の薬事法改正以降、医薬品メーカーが「コストダウン」や「選択と集中」の観点から製造を外部に委託する受託製造が増加し、マーケットが
形成されてきた。その中で同社は、2007年から中期経営計画「TARGET100」を開始し、変革を推進。掲げた目標を1年前倒しで達成した翌年の2017年からは、
新たな中長期経営計画を開始し、経営陣と社員が議論を重ねて策定したビジョンマップのもと、更なる変革を目指し事業展開している。
業界で70年積み重ねてきた有機合成技術と実績や、豊富な技術顧問と研究人員をもとに、医薬品の創薬から製造、商業生産とあらゆるステージで
顧客の課題解決を実践、サポートし、同業他社との差別化を図る。
主力事業である受託製造事業については、高いGMP(Good Manufacturing Practice、医薬品製造品質管理基準)への遵守・対応力のもと、
「業務の卓越性」を追求している。製品の品質に重点を置き、少量からの高品質の製品の生産体制を整えることで新薬メーカーなどに安心・安定して選ばれる会社を
目指す。また、独自能力発揮の分野であるペプチド事業では、「製品・サービスの優位性」を追求し、将来の柱となる事業を育む活動が展開されている。
経営品質向上プログラムは2011年に導入し、2012年度に関西経営品質賞 奨励賞、2014年度に関西経営品質賞 優秀賞受賞など継続的な活動の取り組みを通じて
組織の成熟度を着実に向上させている
- ●弛まぬ変革を推進させる成長戦略の構築と実行
-
2003年に現社長(3代目髙美時郎氏)が就任し、CI活動(理念をベースとした経営)を導入。その後の市場環境にも対応して2007年より中期経営計画「TARGET100」
をキックオフ。さらに2011年には経営品質向上プログラムを導入し、これまでに革新を目指す取り組みを推進した。
その結果、2017年の目標として掲げていた売上目標を1年前倒しの2016年に達成。翌年の2017年からは、新たな中長期経営計画である「NEXT300」を開始させ、
経営幹部のみならず、グループ各社の役職者や次世代の幹部候補もメンバーに加えて、議論を重ねて策定した「2030年ビジョンマップ」「2022年戦略目標マップ」
「2017年戦略目標マップ」のもと、定期的な振り返り活動を通して、「業界オンリーワン・ナンバーワン企業」を目指した更なる変革を推進している。
- ●社員一丸となる組織価値観の醸成と全員参加経営の実践
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事業の成長に伴い、社員が増加する中で、2012年にグレードアップされた「浜理薬品フィロソフィ」を拠りどころに、職場朝礼での唱和から、
経営計画発表会、展示会でのビジネスパートナーとの情報交換の機会等、多様な活動を通じて社内外に理念・価値観の共感・浸透を図る
取り組みを推進している。また、日常業務においても判断基準として自然と活かされている。
20年以上継続している「5S活動」は業務改善や改善提案を融合させることで独自の取り組みとして年々進化し、大きな成果を挙げるとともに、
理念・使命の実践となる象徴的な活動になっている。社員が自発的に問題点をみつけて改善する組織風土の醸成にもつながっている。その他、
独自の採算管理システムなどの各種の改善・変革の取り組みを通じて、全員参加経営を実現している。結果として、従業員意識調査での『「経営理念」
と「ミッション」に対する理解度』の高い水準での推移や、離職率の低さにつながっている。
- ●確かな技術力で顧客の信頼や期待に応えるワンストップサービスの提供
-
業界70年で積み重ねてきた有機合成技術・実績や、豊富な技術顧問と研究人員比率の高さをベースに、医薬品の開発から製造のあらゆるステージで
「One Stop Shop ※下記参照」でのサービス提供を行う。またCDMO(Contract Development and Manufacturing Organization、企業の委託
を受け、医薬品製造のみならず開発まで代行する機関)業態の企業として顧客の課題解決を実践、サポートしている。具体的には、提供価値である
Made in Japanの“安心感”のもと「技術力はもとより・開発力・品質・GMP対応に至るまで期待を超える価値提供を行うとともに、加えて問題発生時
の対応も迅速に行う」ことで、同業他社との違いを作り出している。
主力事業の受託製造事業では、国内外の顧客からのGMPの定期監査などに対して、高い水準でのGMPの遵守・対応を行うとともに、部門別採算制度を
軸に据えた原価削減など、「業務の卓越性」を追求している。
独自能力発揮の分野であるペプチド事業については、非天然アミノ酸の新規合成技術の開発により、原料から製品まで一環で行える技術の開発に注力
している。またペプチド原薬の製造専門会社への人員派遣等を通じて、業界のなかでも注目されており、将来の柱となる事業を育む活動が展開されて
いる。この結果、原薬業界におけるシェア・業界内順位の向上などにもつながっている。
>> ※ご参照「One Stop Shop」について(同社ホームページにアクセスします)
- ●戦略的投資と明確な事業ドメインの発信による事業成長
-
定期的な薬価改定という環境変化が激しい業界において、部門別採算制度による精緻なコスト算定・原価管理のもと、製品の市場環境の見極めを行い、
また戦略的な設備投資により継続的に生産能力の増強を行ってきた。2018年に改定した経営戦略図(One Stop Shop)では、自社が提供する商品・
サービスをより明確にして発信する。主力事業である原薬の他、新たな分野(機能性食品(素材)、化粧品(素材)、食品(素材)、健康食品)への
対応も示した。このことは新たな顧客や案件の獲得だけでなく、事業環境変化の早期の把握にもつながり、これらの情報をもとにした的確な設備投資の
判断をも可能にしている。最近では老朽化機器の入替えやGMPへの高度な対応、高薬理活性原薬の設備増強を米沢で実行。2013年に買収したチトセ浜理薬品
にも設備投資を活発に行い、事業の成長を後押ししている。その結果、目標の売上達成と共に、グループ連結決算も含めて収益性の改善により大幅な利益
改善を実現している。
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