• ・人間大事の教育やエデュテイメントから昇華させた独自サービスの開発
• ・経営トップによる理念の浸透と全員参加型の会社運営の取り組みによる活気ある職場環境の実現

株式会社ケーイーシー（KEC）は、1977年創設以来、奈良県内の小中高生の受験進学指導を主要事業とし、 現在、「人間大事の教育」という理念を通して、人と人とのコミュニケーションのあり方を示し、 元気で前向きな社会づくりに貢献するというミッションとエデュテイメント(教育×エンターテイメント) で世界で一番通いたい教育機関にというビジョンのもと、集団指導塾、個別指導塾、大学受験指導塾他、 全４０の販売拠点で事業展開している。

少子化傾向の中で、奈良県内の老舗学習塾や大阪拠点の大手学習塾、新興個人塾などと競合するものの、 ２０１６年には奈良県中南部の大手学習塾と経営統合し、生徒数、売上高ともに奈良県ナンバーワンの学習塾となる。 学習塾業界の売上高が、２００９年をピークに高止まり傾向にある中で、KECは、安定成長を遂げている。

経営品質向上活動の取り組みは、奈良になくてはならない存在を目指して、経営を可視化できる良い仕組みとして、 ２０１２年頃からスタートし、２０１５年には関西経営品質賞 ブロンズを受賞している。 その後も経営企画が中心となったセルフアセスメントを行い、継続して経営品質向上活動を行っている。

●人間大事の教育やエデュテイメントから昇華させた独自サービスの開発

創業以来の「人間大事の教育」のもと、表現力と社会人基礎力養成を意識した取り組みを重視し、詰込み型ではなく、 「表現」などを重視した取り組みの積み重ねや、G(GOAL:目標設定)－PDCAサイクル、ROADMAP(計画手帳)など社員向けに 開発した仕組みを顧客向けに開発・商品化している。社員が実際に活用していることで、より実践的なアドバイスを行うことができ、 他社との大きな差別化ができている。

また、ストイックな環境におかれている生徒に対して、「楽しみや癒しも必要」との考え方から『エデュテイメント』 というコンセプトを開発し、ハロウィンやクリスマスイベントの実施、「学Ｖｉｅｗリズム」、「ダジャレで覚える歴史」など、 楽しみながら学習をする仕掛けを豊富に展開している。これは、従来から行われている授業に新しい視点を盛り込むことで 独自の提供プログラムに昇華させる取り組みとして、さらなる商品開発につながることが期待できる。

以上の取り組みと長く奈良県の各エリアで事業を展開してきた実績と知名度があいまって、 差別化の認知が浸透しにくい学習塾業界において、口コミや紹介による問い合わせ件数を大幅に伸ばしている。

●経営トップによる理念の浸透と全員参加型会社運営の取り組みによる活気ある職場環境の実現

奈良県下でのビジネスモデルの構築から「世界で一番通いたい総合教育機関」として進化発展していくために、 経営トップの強いリーダーシップのもと、創業者の想いをベースとしながら、働く社員の意識を合わせ、 現場の意見を吸い上げる取り組みを構築することで、「ボトムからの情報や意見を集め、トップが経営判断をする」 というボトムアップ型の経営を試行してきた。

理念やあるべき姿を常に社内外に明示し、経営トップ自らわかりやすく積極的に発信をする一方で、 現場では各種ロードマップを中心とした上司・部下の話し合いが常に行われ、経営のベクトル合わせが行われている。

また、経営計画書やG－PDCA－Y（Y:成功事例の横展開）サイクルなどを通じた見える化で、 社員が会社の考え方や仕組みを俯瞰して理解し、計画の策定や展開に取り組みやすい職場形成につながり、多くの社員から、 「風通しが良い」「経営トップを信頼できる」「自由に意見やアイデアを述べ、取り上げてもらえる」「価値観が似ている人が多い」 「職場にチャレンジ精神がある」といった意見が聞かれるなど、自社の求める理想の姿（トコトン＆ワクワク＋α） に則した活気のある職場環境を実現している。