• ・積極的なブランド発信と社員の経営意識を向上させる取組で職場を活性化
• ・事業領域拡大に向けたきめ細かな対応による価値提供

日本電子工業 株式会社は、1962年に堺市で技術開発企業として創業。自動車ブレーキ制御技術の開発に取り組む一方で、 国産初の電気錠を開発。1963年泉佐野市民会館に日本初の非常出口一斉解錠設備を納入。 防災用としての電気錠活用にも道筋をつけ、電気錠を中心とした制御システム機器の開発・販売で事業を拡大し、 これまでに金融機関・官公庁・病院・介護施設など数々の実績を積み上げてきた。

1997年には関東に営業所も構え、現在は全国に７事業所を置く。2008年に現社長が着任。前年には売上が大きく落ち、 会社も危機的状況にあったが、製品開発プロセス等の見直しを通じて商品の品質向上を図り経営の立て直しを図った。 同年盛和塾に入塾。フィロソフィを軸にした理念経営をスタートさせた。この頃、同塾で出会った企業より良さを紹介され、 経営品質向上活動にも取り組み始めることとなる。以降９年連続増収を達成している。

社内ではアセスメント基準書を活用し、不足している経営の視点や重要な活動を抽出して活用する。 3年前からは若手社員を軸とした「新経営品質向上活動プロジェクト」の活動を継続しており、若手社員の育成と、 ベテラン社員から若手社員へのノウハウの継承を積極的に進めている。

これまで顧客のニーズにもフレキシブルに対応し、設置･施工、保守・メンテナンスまで請け負うなど、 お客様のかゆいところに手が届く営業体制を整え顧客の信頼も獲得してきている。 同社は、「生命を守る技術を拓くＪＥＩセキュリティとアメニティをお届けし、人と社会に貢献する」ことをミッションと定義し、 工場を持たないファブレスメーカーとして、創造的な技術屋集団による事業展開を目指している。

●経営幹部のリーダーシップ発揮で自社ブランド向上と職場活性化を促進

様々な外部認証や表彰制度への挑戦、テレビ撮影現場への自社機器の貸し出し等を通じ、 自社のブランド認知向上に積極的に取り組んでいる。これまでに数々の外部認証、表彰を受けており、 そのことが会社に対する社員の関心を高め、社員の誇りとするところになり、会社としての一体感を向上させている。 社長自身が女性であることから、社会が求める女性活躍推進活動にも積極的に取り組み、社長自身の講演会への参加や出講、 女性社員のボランティア参加等を通じて、地域での活動の輪を広げている。

経営面においては２０１６年度にユニット経営を導入。部門ごとのコスト管理、生産性管理が強化されており、 結果として全体の経営を意識した各部門や個人の活動が進展している。また、3年前より若手社員を中核とした 「新経営品質向上活動プロジェクト」を継続開催しており、これにより若手とベテラン（部門長）との対話が進み、 話し易い職場づくりが醸成されている。

●独自の営業スタイルと高い技術力で事業領域を創出・拡大

５０年を超える電気錠、制御盤ビジネスで培った技術と対応力により、同社に対する市場での評価は高い。 ＮＯと言わない営業姿勢により、他社がやらない案件への対応、大手からのＯＥＭ(Original Equipment Manufacturing）製造や ＯＤＭ(Original Design Manufacturing）製造への対応、開発受託などカスタマイズ対応を積極的に推進している。

技術的な知識と現場経験の豊富なベテラン営業社員が、設計事務所訪問時に、その場で設計図面の提案や修正を行ったり、 あるいは新たなソリューションを提供するなど、その場で解決できる他社ではできない営業活動を展開しており、 結果としてメーカー未指定の案件や競争入札での獲得率を高めている。「困った時に頼りになる相手先」 として市場内での存在感も増している。

代理店経由の販売においても、自社製品であれば施工、設置等を請け負うことを提案し、 設置後のメンテナンスまで請け負う提案もしている。その結果、新たな施工先での将来の保守・ メンテナンスのビジネス領域拡大へと可能性を広げている。