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関西経営品質賞について

2017年度 関西経営品質賞 ゴールド

株式会社 王宮 ホテル宴会・宿泊部門

設立 1970年
代表者 代表取締役 橋本 正権(はしもと せいけん)
本社所在地 大阪府大阪市中央区道頓堀2-3-25
売上高 1,248百万円(2017年4月)
従業員 100名(非正規社員含む)(2017年9月)
事業内容 ビジネスホテル、ホテル宴会
ホームページ http://dotonbori-h.co.jp
  • ・使命感に満ち溢れた自律的人材の育成
  • ・理想の姿に向けた挑戦意欲を育む組織風土
  • ・おもてなしや体験を通じて「日本を好きになってもらう」宿泊サービス
  • ・「笑いあり・涙あり」でお客様同士の絆が深まる宴会サービス

 株式会社 王宮は、1970年に大阪市中央区にて現社長の祖父が3事業(宿泊・婚礼・レストラン)で開業。 当初は利益が低迷していたが、1976年に現社長の父が二代目社長(現会長)として就任。 堅実な経営を推進し、高度経済成長期も追い風とし、利益が出る体質へと転換させた。 さらに1991年には、ホテルの大規模改装に着手し、婚礼の廃止などにより大幅に客室を増やすとともに、 レストラン営業を宴会に特化するなど、事業再編を行った。

 1996年に現社長が入社。その当時は稼働率が高く、多忙を極め、日々の営業を切り盛りするのが手一杯であった。 一方で社風に嫌気がさし離職する者も出ていた。その後2002年には宿泊稼働率が64%まで低下し危機的な状況に陥ることになった。

 そのようななか2006年に現社長が専務に就任。また翌年には現専務が常務として帰国し、事業継承の体制が整うとともに、変革に向けた準備に入った。 ホテルを開業して30年を超え、宿泊・宴会の両事業とも競争の激化に巻き込まれる事態に陥っていたため、 これまでの事業の振り返りのもと「誰に、何を、どのように」を明確化にするビジネスモデルの転換へと舵を切った。

 具体的には、宿泊事業では2009年にターゲット顧客を日本人ビジネス客から東アジアの20代外国人旅行客に変更した。 またターゲット顧客の日本文化への関心の高さに注目し、無料の日本文化体験イベント(着物体験等)を開始した。

 宴会事業では、2008年に完全予約制の中華宴会に特化し、2012年に「笑いあり、涙ありのホテル宴会」をキャッチコピーとした 「お笑いパック」の販売を開始した。他にはない飲み放題や無料サービス(衣装、ゲームなどの宴会グッズの無料貸出)を付加し高い顧客満足を実現した。

 さらには同業他社との競争が激しい両事業において「おもてなしホテル」・「おもてなし宴会」という業界内での新しいカテゴリーを創出しようと変革を続けている。 そして、宿泊事業では、1970年の開業以来の自社物件であるブリッジホテル(207室)を2016年11月にオープンさせ、翌年11月には大阪逸の彩(ひので)ホテル(354室)をオープンし、 新たな成長期に入っている。全社一丸となって変革を進めてきた結果、 近年では第1回日本サービス大賞で優秀賞(SPRING賞)受賞、2016年度関西経営品質賞シルバー受賞など、 宿泊・宴会業界の中でも際立った成果を挙げている。

●使命感を基軸にしたミッション経営の実践と人づくり
 徹底した教育で理念・価値観を浸透させることで、全社一丸となって使命の全うに邁進する組織風土が醸成されている。 2010年から着手して社長と専務で作り上げた理念体系(経営理念・経営ビジョン・行動信念・人事理念・使命)、 特に「使命感」を軸に、「13の徳目朝礼」、「理念と経営勉強会」の実践により確実な価値観の浸透を図ってきた。

 また、採用選考では「日本と世界の架け橋になるホテルをつくりたい」という使命に共感でき、 なるべく業界未経験者を採用することで業界の常識にとらわれない発想を活かし、 複数の言語を話せる有能な人材の採用を念頭に置き活動を行っている。

 採用後は入社前の複数回の合宿で経営幹部も加わり、理念・使命感の浸透を図るプログラムを行い学習する機会が設けられている。 このような学習を通じて、個々のスタッフが入社時から「どうすればお客様同士の絆を深められるか」、 「どうすれば日本を好きになってもらえるか」という判断基準、使命感のもと、自ら考え臨機応変に対応・行動できる、 自律型人材の輩出・育成がなされている。また、今年度から経営幹部による「毎月のスタッフ面談」を実施することで、 より相互の理解を図ることができる体制も構築している。
●「心に残る想い出づくり」を全社で追求・提供できる環境づくり
 「あったらいいな」を主体とした「心に残る想い出づくり」の価値創造が全社で追求され、 また「やってダメなら直せば良い」という経営陣の考えのもとで応援する環境が作られている。 その結果、現場主導でサービスを企画・提供する活動が常態化している。

 例えばイベントやサプライズ演出等に上司の事前了解なしに一回20万円までの経費を使用できる権限をスタッフに与える仕組みの整備、 また宿泊・宴会業界では組織が縦割りになりがちとされる部門や職種を超えた協働・連携サービスの提供が活発になされている。 「お客様のプロポーズのサポート」、「朝食時の福引イベントの開催」などはその一例である。 これらの取組みはスタッフの自発的な行動を促し、やりがいも高めている。

 さらにスタッフが仕事に集中できるようにするため、スタッフの家族に対する最大50万円までの医療費の全額会社負担、 リフレッシュ休暇制度など、働きやすい職場環境づくりにも力を注ぎ、顧客満足の追求への源泉となる高いモチベーションや従業員満足をも実現している。
●「おもてなしホテル」という新たな事業領域の構築
 宿泊事業では「おもてなしホテル」という新しいカテゴリーの確立に向けて、2009年のビジネスモデルの転換。 ターゲット顧客を東アジアの20代外国人旅行客に変更した。

 営業販売ルートを独自に開拓した海外の現地旅行代理店に重きを置き、ターゲット顧客のニーズに着目した「あったらいいな」サービスや日本のおもてなし・文化を体験・体感できるイベントなど、 独自の付加サービスを提供することによって、ホテルでの宿泊をきっかけに「日本を好きになってもらう」ことができるといった顧客満足を追求・実現している。 そして年々、知名度を上げてきたことも相まって、稼働率や客室単価の継続的な向上も実現している。

 変革を進めてきた結果、第1回日本サービス大賞 優秀賞(SPRING賞)を受賞するなど、対外的な評価も受けている。 一方で類似したホテルの出店に対しては、宿泊客への対話の機会やビジネスパートナーとする海外の現地旅行代理店への定期訪問を通じて、 変化する顧客ニーズをいち早く把握し、サービスやイベントを現場主導で開発・改良し続けて進化を図っている。
●「おもてなし宴会」という独自の価値提供スタイルの構築
 事業コンセプトである「おもてなし宴会」という独自のカテゴリーの確立に向けてビジネスモデルの転換を行った。 2008年に完全予約制の中華宴会に特化、2012年に「笑いあり、涙ありのホテル宴会」をキャッチコピーに飲み放題や無料サービス (衣装、ゲームなどの宴会グッズの無料貸出)を付加した「お笑いパック」を開始し変革を進めてきた。

 また営業体制も大幅に見直し、ローラー訪問を行っていた営業スタッフの殆どを宴会プランナーに配置転換し、業務も徹底的に顧客の希望・要望に寄り添い 「お客様同士に絆を深めてもらう」ことをサポートするホテル宴会という独自の価値提供スタイルに転換させた。

 これらの取り組みを通じて、顧客との対話の機会で得た情報を料理等のサービス内容にも反映し、高い顧客満足を実現し、 今ではリピートや紹介・口コミで売上が成り立つビジネスモデルの確立に至っている。

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