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株式会社 王宮は、1970年に大阪市中央区にて現社長の祖父が3事業(宿泊・婚礼・レストラン)で開業。
当初は利益が低迷していたが、1976年に現社長の父が二代目社長(現会長)として就任。
堅実な経営を推進し、高度経済成長期も追い風とし、利益が出る体質へと転換させた。
さらに1991年には、ホテルの大規模改装に着手し、婚礼の廃止などにより大幅に客室を増やすとともに、
レストラン営業を宴会に特化するなど、事業再編を行った。
1996年に現社長が入社。その当時は稼働率が高く、多忙を極め、日々の営業を切り盛りするのが手一杯であった。
一方で社風に嫌気がさし離職する者も出ていた。その後2002年には宿泊稼働率が64%まで低下し危機的な状況に陥ることになった。
そのようななか2006年に現社長が専務に就任。また翌年には現専務が常務として帰国し、事業継承の体制が整うとともに、変革に向けた準備に入った。
ホテルを開業して30年を超え、宿泊・宴会の両事業とも競争の激化に巻き込まれる事態に陥っていたため、
これまでの事業の振り返りのもと「誰に、何を、どのように」を明確化にするビジネスモデルの転換へと舵を切った。
具体的には、宿泊事業では2009年にターゲット顧客を日本人ビジネス客から東アジアの20代外国人旅行客に変更した。
またターゲット顧客の日本文化への関心の高さに注目し、無料の日本文化体験イベント(着物体験等)を開始した。
宴会事業では、2008年に完全予約制の中華宴会に特化し、2012年に「笑いあり、涙ありのホテル宴会」をキャッチコピーとした
「お笑いパック」の販売を開始した。他にはない飲み放題や無料サービス(衣装、ゲームなどの宴会グッズの無料貸出)を付加し高い顧客満足を実現した。
さらには同業他社との競争が激しい両事業において「おもてなしホテル」・「おもてなし宴会」という業界内での新しいカテゴリーを創出しようと変革を続けている。
そして、宿泊事業では、1970年の開業以来の自社物件であるブリッジホテル(207室)を2016年11月にオープンさせ、翌年11月には大阪逸の彩(ひので)ホテル(354室)をオープンし、
新たな成長期に入っている。全社一丸となって変革を進めてきた結果、
近年では第1回日本サービス大賞で優秀賞(SPRING賞)受賞、2016年度関西経営品質賞シルバー受賞など、
宿泊・宴会業界の中でも際立った成果を挙げている。
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