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関西経営品質賞について

2017年度 関西経営品質賞 シルバー

株式会社 リブドゥコーポレーション ライフケア国内事業部門

設立 1965年
代表者 代表取締役社長 宇田 正(うだ まさし)
本社所在地 大阪府大阪市中央区瓦町1-6-10 JPビル5F
売上高 43,440百万円(2017年3月)
従業員 972名(非正規社員含む)(2017年3月)
事業内容 大人用紙おむつ、介護用品・用具、メディカルディスポーザブル用品(医療用不織布製品、キット製品)の製造・販売
ホームページ http://www.livedo.jp
  • ・現場の声を戦略に反映させる戦略策定プロセス
  • ・独自のプロセス管理による、全社一丸の商品・サービス開発
  • ・既存顧客・潜在顧客のニーズ把握のための様々な取り組みの全社的展開
  • ・多品種小ロット・ローコスト生産を実現する種々の活動の継続的な実践

 株式会社 リブドゥコーポレーションは、1965年4月1日、紙おむつ製造販売を中心の事業とする会社 (旧社名:トーヨー衛材 株式会社)を愛媛県川之江市に設立した。「生きる力を応援する」をコーポレートスローガンとして掲げ、 大人用紙おむつの製造販売及び排せつケア関連商品の販売を行う「ライフケア事業」(第一の柱)と、 1990年代に入って新しい事業分野として育成してきた使い捨て医療機器を中心としたメディカルディスポーザブル用品の製造販売を行う 「メディカル事業」(第二の柱)を主要な事業として展開している。

 会社の成長段階は、大きく設立期(1965年~1969年)、成長期(1970年~1986年)、発展期(1986年~1999年)、充実期(2000年以降)の4つの時期に区分される。

 設立期には、1967年使用現場である病院のニーズを熱心に聞き取り、独自で開発したお産用パッドがデファクトスタンダード(業界標準)を勝ち取った。

 成長期には、紙おむつメーカーとして徐々に実績を築き、斬新な発想で日本初の粉砕パルプを採用し、新しい形態のベビー用紙おむつを発売、 大手メーカーの参入が続くなか、順調に売上を伸ばしていった。さらに、新技術を大人用紙おむつにも使用し、新製品の展開と売上拡大を図った。

 発展期には、1988年、開発着手から4年の歳月をかけて「スーパーリフレ」を発売、急性期病院での販売ルートを活かし、 ガウンや不織布の製造・販売も少しずつ拡大していった。

 充実期には、会社の向う方向性を明確にするために、企業理念を2000年3月25日に制定し、同時に、 企業理念を社内に浸透させる手段として経営品質向上活動に取り組むことにした。続いて、企業理念と事業領域 (「C&C( 介護と治療)の領域で医療の総合サプライヤーをめざす」)を反映させた CI 開発に着手して、 2002年4月1日、現社名の株式会社リブドゥコーポレーションに社名変更を行った。2011年2月11日に「Livedo-Vision2020」を発表、 その後、Livedo-Vision2020 が全社に提示されて5年が経過し、社員に具体的な定量・定性の姿を提示する必要があること ( 将来の「夢」を提示する)、新しい価値・視点に基づくビジネスモデル(C&C、コト売り、お客さま満足度など)の展開が必要になっていること、 目標とする姿と経営資源(ヒト・設備・カネ)の長期的な整合を検討することを掲げ、2016年4月1日、Livedo-Vision2020 をベースとした中長期経営計画 (愛称:オレンジ・ルネッサンス) を制定した。

 現在、「独自の商品・サービスを通じて介護と治療の現場で的確なソリューション(お客さまのあらゆる困りごとを解決する)を提供し、 生きる力を応援することで、お客様満足度日本一を目指す。」という事業の姿と、「お客さまの喜びを自らの喜びとし、 もっと大きな喜び(感動)を追求し続けることで「やりがい」と「幸せ」を感じる組織をめざす。」という組織の姿を掲げ、 独自の戦略課題(戦略ストーリー)に基づき経営革新に取り組んできている。

●現場(社員)の声を戦略に反映させる戦略策定プロセス
 戦略の策定は、セルフアセスメント形式で行われる「経営合宿」を起点とし、 抽出された課題は「中長期経営計画(オレンジ・ルネッサンス)」に反映されるようになっている。 その上で「重要成功要因シート」「アセスメントシート」「課別展開シート」の3つのシートを活用し、 中長期経営計画を課別の年度行動計画へ反映している。

 この計画策定プロセスにおいて、課別展開シートを作る際に多くの階層の参加を図るとともに、「オレンジ・ルネッサンス懇話会」と呼ばれる、 経営幹部が主催する少人数での対話方式による「語らいの場」にて、社員の意見やアイデア等吸い上げて次期の戦略に反映させている。

 また、取締役会・執行役員会などで協議された経営情報は、「経営情報の開示」として毎月経営幹部より社員に説明することで、 意思決定の透明性も確保し、意思決定のプロセスにおいては社員が自ら参加し当事者意識を醸成するため、 取締役会や執行役員会において発議者が自ら説明を行い意思決定されるようになっている。
●独自のプロセス管理による、全社一丸(部門横断型)の商品・サービス開発
 全社ミッション「介護と治療の現場で生きる力を応援する」、ライフケア事業ミッション「介護の必要な人びとに独自の商品・サービスを提供し続ける」のもとに、 「おむつを科学する」というコンセプトから軽薄短消(軽い・薄い・短い・消臭)の特徴ある商品開発づくりを推進している。

 そのために、デザインレビュー工程表(商品アイデアから上市までの実施工程表)を活用した部門を横断した体系だったプロセス管理を行うとともに、 国内外の専業素材メーカーとのアライアンスも推進している。

 サービス開発面では、営業担当者とRS(リフレ・サポーター)がお客さまから収集した困りごとをリスニングポストに蓄積し、 そのデータを活用して現場に即したサービスを提供するなど、全社一丸となった商品・サービス開発の取り組みが実践されている。
●既存顧客・潜在顧客のニーズ把握のための様々な取り組みの全社的展開
 主要ルートである「業務ルート(施設・病院)」からの要望にクイックレスポンスで対応するため、 エリアに根ざした細かい代理店網を活かした営業担当者による展開のみならず、RS(リフレ・サポーター)を全国に配置し、 商品・サービスに関しての既存顧客のニーズ把握を進めている。

 また、以下のような多面的な取り組み(様々なソースに基づく情報の収集)が行われていることで、 多面的で信頼度の高い顧客ニーズの把握が可能となっている。

・ eセールス・マネジャーを活用した、施設・病院の大人用紙おむつ導入情報(マッピング)の整備(業務ルート)
・ 介護業界や現場に知見が深い専門家を顧問とし、営業マネジャーを中心とした協議の定期的な実施(将来の潜在的な顧客・市場への対応)
・ 配荷表の整備(在宅ルート)
・ 競合商品のヒストリカルレビュー(製品開発の観点からのニーズ把握)
・「まごころサポート」の継続
●多品種小ロット・ローコスト生産を実現するための種々の活動の継続的な実践
 DPM(デイリープロダクションミーティング)を主体とした小集団活動・もったいない提案制度や、 現場の日々の改善をすぐに進めるためDSM(デイリースタッフミーティング)などで、 ロス率の改善・稼働率の向上に取り組むなど、組織力強化のために活発な取り組みが行われている。

 また、材料仕様の見直しなどコストダウンを進めるため、部門横断の取り組みとして専任部署を設置しVE(Value Engineering)活動が推進し、 配送面では、商品を施設・病院の軒先まで受注日の翌日に届けることでお客さまの在庫負担軽減に貢献出来るようにしていくなど、 日々の着実な改善への取り組みはしっかりと経営革新に寄与している。

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