(株)森長工務店は昭和21年、屋根など「町の修理屋」として創業され、その後、都市部への人口流入に伴い、公共事業の担い手が求められた当時、大手が積極的でない分野であった公営住宅、学校などを手がけ地域で着実に実績を上げた。バブル時代にも本業一筋の経営の結果、抜群の財務基盤に支えられた地元密着の堅実経営を実践している。
現社長は1998年、3代目として就任。公共工事が一般競争入札になり従来の図式が様変わりする中で、建設業は「フロービジネスであり、技術革新が少なく差別化が難しい」といわれていた。現社長は1998年、3代目として就任。公共工事が一般競争入札になり従来の図式が様変わりする中で、建設業は「フロービジネスであり、技術革新が少なく差別化が難しい」といわれていた。
その中で敢えて、「ストック化と差別化」を目指し、その拠り所を「社員間、更には社会・顧客との人間関係の構築」と定め、「ありがとうの溢れる会社を作ろう」という経営理念を策定し、「誠実で真剣な空間作りを通して、いつまでも変わらない安心と信頼をお届けする」を追求している。

●“ありがとうの溢れる会社”に向けた不断の努力

経営幹部があらゆる機会（年次計画発表会、毎日朝礼、月例会、読書感想文など）を通して理念浸透に取組むとともに、フレンドリーな接し方で社員への語りかけをするなど、組織のメンバーが知らず知らずのうちに理念や顧客価値を理解し、社員が自律的に顧客重視の視点で行動できるように組織が変革している。

●修理･クレーム24時間対応による安心･信頼作り

修理・クレームはフリーダイヤルで24時間対応のシステムが確立している。また、長期保証制度や定期点検などの取組みにより、事前の不具合発見にも貢献している。
その結果、顧客との接点増加や安心感・信頼感向上からリピート、紹介に繋がっている。

●局面に応じた会議でニーズの再確認

工事施工プロセスでは、初期段階の引継会、施工検討会議、施工中の定例会議、完成時の竣工反省会など、局面に応じた会議を通じて社員が協働している。
特に、定例会議では顧客との協働によるレビューを実施。さらに、工事施工中に得られる緻密な集計データや情報などは、再発防止策への展開や施工実績からの組織的な学びとして竣工反省会で共有化している。これにより、地域での着実なブランド強化に繋がっている。