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関西経営品質賞について

2004年度 関西経営品質イノベーション賞

株式会社パトライト

設立 1963年1月
代表者 代表取締役会長 佐々木宏樹
代表取締役社長 河瀬 浩
本社所在地 大阪府八尾市若林町2丁目58番地
資本金 25億5,869万円
売上高 95億3,700万円(2004年3月期)
従業員 479名(2004年3月期 別途海外260名)
事業内容 各種回転灯・表示灯、音・音声機器、セキュリティ機器、LED表示機器、液晶表示機器などの開発・製造・販売
ホームページ http://www.patlite.co.jp/

株式会社パトライトは、1947年、「世の中にないもの、世の中に役立つものを作る」という精神で創業された。その後、幾多の経営危機に直面したが、その都度経営者の不屈の精神と製品開発力、そして社員との運命共同体思想により苦難を乗り越え、時代に合わせて事業のあり様を変化させて対応してきた。現在、事業の中心になっているのは、信頼性の高いモータをコアにした回転灯と表示機器ビジネスである。これらによって、世界の何処にもない独自の事業領域を確立している。その基盤となっているものは、長い社歴で培われてきた「世界の人たちに安心・安全・楽々を…」に始まる理念体系である。この理念が現在でも顧客、社会、社員、株主に対する事業のあり方を示し、組織の深部にまで浸透して社員の行動規範となっている。

この事業の更なる発展に向けて経営トップは2002年に「NEO PATLITE 221」を打ち出し、挑戦的かつ具体的な目標をゴールとして掲げ、企業の方向性を明確にした。このゴールは国内における“音と光のワンストップサービス”による顧客価値創造を目指し、かつ全世界を市場としたグローバル企業への成長のための布石として位置づけている。この目標を達成するために、顧客価値を前提とした諸施策が打ち出され、それらが組織の自律変革の流れに繋がりつつある。

現在は、より一層の飛躍を目指し、新たなコンセプトを掲げてビジネスモデルづくりに着手している。そのコンセプトは「Happy Company」と命名され、経営活動の拠りどころとしている。目指すところは「顧客がHappy」「株主がHappy」「社員がHappy」で、これらのステークホルダーが“Happy”になるための価値を提供していこうとするものである。この「Happy Company」のもと、社員の自主性、創造性、チャレンジ性、自律性などが溢れる組織風土の醸成が加速されている。その結果として新たな技術革新・プロセス革新の連鎖が組織と社員一人ひとりの双方で起こり始めている。

以下の点が今回の審査で高く評価された。

●これまでの経営モデルを踏襲しつつ、新たなリーダーシップ発揮による経営幹部の変革推進
これまでの成長、競争優位、経営資産を創出してきた経営モデル、組織風土づくりの本質を踏襲しつつ、「NEO PATLITE 221」という飛躍目標を掲げ、新たな強いリーダーシップの発揮によりその完遂のために様々な企業戦略と経営戦略を構築している。また、これを推進するため、「HAPPY COMPANYプロジェクト」を開始し、社員全員が誇りと意欲を持って仕事に取り組むための自由闊達な組織風土・企業文化の醸成をすすめている。
●顧客視点で強い信頼関係を構築し維持する仕組み
「いかなる顧客のニーズにも企業努力し応えること」を基本とし、開発中心の製造業として最重要事項である品質、コスト、納期について最良の状態が実現されるようシステムとプロセスを構築し、共栄会社を中心としたビジネスパートナーと一体となって運用している。これは、社是「日々是清潔」に始まる一連の経営理念によって、顧客重視の組織風土ともなっている。
●戦略の策定と形成における体系化された方式と改善の仕組み
「戦略は企業理念の実現のためのプロセスであること」を基本とし、顧客・市場の要求・期待、ステークホルダーの要求・期待、内外の経済状況など、あらゆる情報をもとに経営幹部が徹底的に議論し、企業理念と戦略との一貫性と整合性を重要視しつつ「数値目標を持った」戦略を策定している。そして、確実に実行していくために、重点を絞り込んで数値で評価できるよう「5KFS」として提示し、事業部・部・課・個人へと連鎖し展開され、その進捗において年度中に大きな環境変化や戦略遂行上の問題が発生した場合は、ダイナミックに戦略の再構築がはかれる柔軟性も兼ね備えている。
●最高の顧客価値を提供する卓越した基幹プロセス
「品質・納期・コストは会社の生命線である」という方針のもと、開発型の製造会社として最高の顧客価値である高品質・短納期・低コストを生み出す卓越した基幹プロセスが構築されている。多品種少量生産に対応するためにいち早く導入した自社独自の3パターンのセル生産方式、品質要求に応えるためのビジネスパートナーも一体となった取り組み、パート社員の多能工化、海外工場との機能分担、生産管理システム、受注システムの開発など、プロセスイノベーションを積み重ねている。

【参考】

「NEO PATLITE 221」(中期経営計画のゴール)
(1)売上高200億円達成
(2)経常利益率20%確保(→2004年9月中間期20.2%)
(3)東証1部上場(→2005年3月1日に上場。現在は「全ての市場で№1」)

「HAPPY COMPANYプロジェクト 」
「NEO PATLITE 221」で掲げる目標の達成は、社員の自律的な意識と行動を喚起する組織風土の醸成であり、それへの変革を目指したチャレンジ性、創造性などの発揮によって具現化できるとの考え方で、職場懇談会、サンキュウNET、やったろう会、キャリアデザインV3などの施策をいう。

【特色】

・主力製品である回転灯「パトライト」で60%以上のシェアを誇るトップメーカー
・警察用や高速道路上の作業車両用については、90%以上のシェアを誇る圧倒的なトップメーカー
・2005年3月1日 東証1部および大証1部上場
・売上高 営業利益率 19.8% 自己資本比率 84.6%(2004年3月期:単独ベース)

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